素晴らしい天気です。
心踊りやる気沸き立つこんな日は、勢いに乗って根気仕事をやっつけるに限る。
薬剤・研磨剤・ブラシ・油脂類を駆使して、洗う磨く確認する注油する・・・。
そう、旧い自転車の復活作業です。
レストアなどという大層なモノではなく、
永らく乗られていない車両を復活させる、
ただそれだけの事。
作業の殆どは洗う事と磨く事であり、基本的に
誰でも出来る作業、
時間だけが解決への道である、そんな作業。
弊店、この手の仕事は基本的に受け付けていません。
作業終わってみるまで費用が幾ら掛かるかなんて分かりませんし、
旧いモノを今後乗って行くなら、乗り手が各部状態を知っていた方が良いだろうしで、
出来る所まで自分でやって、分からん所だけ相談頂いた方が効率的なのではないか、と。
その基本的な作業でさえよく分からん、とか面倒だとかなれば、
「ん~・・・やめときなよぉ~、結果的に損する事になっちゃうよぉ~」
と助言せずには居れません。
しかし今回磨いている車両は、
顧客さんが叔父さんから頂いたモノだそうで、
「小さい頃に無理矢理跨がせて貰ってね~」
なんて旧い記憶に刻まれているという一台。
着いている部品はチャンポンだし、
不思議な加工が為されている箇所もある。
それ等は叔父さんの手によるモノの様で、
「あぁ、此処をこうしたかったのか」とか、
「この時代にこの部品は高かったろうなぁ」とか、
一つ一つを見るにつけ想像は至る訳です。
そんな叔父さんも亡くなられ、
生前からの約束に遵い、
遺品として譲り受けたという今回。
埃を被ってボロっチクなっているけど、
「叔父さんが乗っていた時はこうだった」
という姿を見て欲しいと思うが故、
ムキになって磨き上げる。
自分は自転車屋ですので、年中損得の話ばかりしています。
お客さんを得させる案、それを出すのが存在意義だと思っていますから。
今回の作業も安くするとか一切言いません、頂くモノはキッチリ頂きます!
自転車を乗る為とすれば、それはお客さんにとって損な道筋であるはず、
しかし、もう話す事は無い叔父さんが、何を思って自転車に接していたのか?
その一端を掴む為の道筋であると仮定するなら・・・。
自転車屋が口を挟む余地など無い訳で、ただ只管バラし磨き組み上げます。
たまにはこんな仕事も良いもんだ、と思いますが、
こんなんばっかしてると手の皮何枚あっても足らんので、やはり仕事では請け辛い。