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アドガー・アラヌ・ホウ全集。
息子を保育園に送り出した後、
さて何をしようか?と考え込んだ昨日。
秋も随分と深まって来た12月頭です、
もうじき北山には初雪が降り、
積もれば春まで行動に制限がかかるでしょう。
ならば、雪が積もる前に行っておくか、
という事で活動開始、戦闘開始。

限られた時間の中で、
なるべく遠くに行きたい。
けれど同じ道を往復ってのは避けたい。
ならば結べぬ2本の糸を結ぶまでよ。
そう、我々には 廃道という選択がある。
我々って?そりゃ・・・私と貴方ですよ♪
とりあえず鯖街道をダラダラ北上し、
県境を越えた次の峠である花折峠を登り、
花折の長いトンネルを抜けると雪国であった。
などと言う事は無く、向こうも未だ秋です。
しかし、峠越えの苦労を一瞬で消してくれる、
トンネルと言う人工物の偉大さを感じながら、
抜けた向こうに伸びる道は現代では無く過去のそれ。
と言う事で本日のターゲットは、
源流に向かう安曇川沿いの廃道です。
いや、廃道というと少し違って、
正しくは作りかけのまま放置された、
未完成の道路というべきでしょう。
花折トンネルを抜けると、
左の崖下に見える道がその入り口。

日本海と京都を結ぶ主要道路である、
新鯖街道こと367号線と、
激坂を越えねば辿り着けないという事で、
悪名高き百井集落の奥とを結ぶべく、
「一応」道として拓かれているこのルート。
百井の更に奥に位置する大見集落に、
残土最終処分場を作る計画が嘗てあり、
その関係でこの道も拓かれようとしたのか?
と想像しますが、本当の所はよう分かりません。
川沿いに遡上して行く道ですので、
時に苔生した渋い橋を渡る事も。
林業の人が通っているのでしょう、
まだまだ車の通った轍が見て取れ、
「何かあっても大丈夫」という、
意味の無い安心感を感じます。
しかし、こんな道に用事のある人は少ない訳で、
ズズイと進みゆけばやがて轍は消え、
落ち葉と苔のフカフカロードに変身。
此処まで快調に飛ばせたグラベルロードも、
32cタイヤが埋もれはじめてトーンダウン。
とは言えそれでも普通に走れますので、
モコモコ言わせながら更に進み行くと・・・。
道の終点に到着です、お疲れ様でした。
前半戦が終了したので、続いて後半戦。
道は一旦途切れてしまいますが、
川を更に遡れば再び道が現れます。
直線距離で400~500mって所でしょうか。
まぁ距離的にはたかが知れたレベル。
いざ進むべし。
ザブリ。
歩き易い地形が右岸・左岸のどちらなのかは、
場所によってドンドン変わりますから、
渡河を避ける事は出来ません。
そう、この行為があるからこそ、
「雪が降る前に」という話になるのですよ。
雪の中では・・・危ないですね、普通に。
川原に下りる→靴を脱ぐ→靴下を脱ぐ→渡る、
渡り切る→靴下を履く→靴を履く→山を上る。
これを繰り返して上流を目指します。
しかし数年前に来た時の記憶では、
数度の渡河で行けた様に思うのですが、
時間の共に状況が変わってしまったのか、
中々安定した獣道が捉えられません。
その為、何度も渡河を繰り返すはめになり、
しまいに靴の脱ぎ履きが邪魔臭くなって来て。
もうええわい。
シューズ履いたまま渡る事にしましょう。
安曇川って水が綺麗ですね~。
文字通りの「道なき道」を行くと、
その先には山らしい山の姿が。
テントを張って釣りをするには、
素晴らしいロケーションですが、
息子を迎えに行かねばならんので、
先を急ぐ事にしましょう。
ザブングル。
・・・足を滑らせてしまいました。
しかし此処まで濡れてしまうと、
もうあとはどうでも良い気分になり、
カメラを取り出す余裕さえ生まれます。
皆さん、カメラは防水のが良いですよ。
更にザブザブと川の中を進んだり、
崖をよじ登ったりを繰り返すと、
遂に!平たい土地が視界の中に!
あれぞ人類の灯。
あ~抜けた~、終った~・・・。
ってたった数百メートルなんですけどね、
体感では十倍にも感じる山の不思議。

未舗装の林道であろうとも、
人が通る道には変わりない訳で、
「道とは何と便利なモノか」と改めて感じ入る次第。
一心地ついた所で時計を見ると、
予想外に時間を喰ってしまっており、
息子を保育園に迎えに行く時間が迫っています。
こうしては居れん。
さぁ文明の利器たる道を使って帰ろうぞ。

道を行くとやがて見えて来るのは北山修道院。
小説「ノルウェイの森」のモデルになった、
そんな話も聞いたりしますが、
そもそもノルウェイの森を読んだ事が無いので、
「おぉぉ~」という感慨に浸る事はありません。
それよりもビシャ濡れ状態で山を彷徨い、
辿り着いた人家がこの家だと想像したなら・・・、
「ミザリー」か「変体村」か?って感じで、
怖くなって来るので退散退散。
山から流れ落ちる様に麓に下りて、
保育園お迎え時間オンタイムで帰着。
全行程約5時間のプチアドベンチャーの後は、
年間パスで入り放題の水族館へ。
普段の生活のすぐ横にある冒険ゴッコ。
その舞台は、いつも通り過ぎる脇道の、
奥の奥に広がっているので御座いますよ。
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by kaleidocycle
| 2016-12-06 21:35
| 無駄
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