塗装改修作業に出していた為、
暫くご無沙汰だった
Hoboが、
美しさを増して帰って参りました。
そうなると当然、
取り合えずひとっ走りという事で、
朝からプラっと出掛ける訳ですが、
数ヶ月振りに跨るその味は・・・良い。
速いタイプでは無いけれど、
踏んだ反応を楽しみながら、
峠をヨイショヨイショと上って行く、
その気持ち良さはやはり独特。
紫外線で退色が出始めた漆塗装も、
この度、上塗りを施した事で、
更に深みを増し円熟の域に突入。
手前味噌ながら、
う・・・美しい。
ただ、ワタクシにとってロードの本妻は、
Sunrise製の欣求号でありますので、
このHoboの出番となりますと・・・。
・元気が出なくてダラダラ走る時。
・雨降りや雨上がりで路面が悪い時。
・廃道&林道込みで距離を伸ばす時。
と、少々雑な扱いにならざるを得ない状況。
自転車は乗ってナンボです、
傷むとか何だとか気にせずバシバシ乗る、
それこそが正しい姿だ~・・・
とは思うのだけれど。
「
錆びたらかなんなぁ」とか「
水入ってるやろから抜かなな」とか、
「飛び石で
塗装チップしとらんかえ?」とか「
泥洗い流さなならんぞ」とか。
やっぱ気を遣わずには居れないのは、小物の性の悲しさ。
嗚呼、雨でも雪でも泥濘でも気にせずバシバシ駆け抜けられて、
「それが普通である」と思える様な一台が欲しい!・・・と考えた時、
我が触手が伸びて行った先にあったのはこの一台。
Salsa Vaya-Deore ¥205,000(税別)
ヴァヤですよ、ヴァヤ。
反省を籠めて告白しますと、デビュー当時
「日本で理解を得るのは難しいジャンル」と、
切って捨てた事もあるアドベンチャーツーリングロード・ヴァヤ。
輝くスタイリッシュな一台、とは言い辛い
不美人系です。
ただそれが何故今自分の中で輝き出したのかと申しますと・・・。
まずこの
ヘッドチューブの長さ。
残念ながらヘッドチューブの長さが、
造形の美しさに繋がる事は少ないです。
が、雨降ってるや、霧が出てるやという状況では、
漕げるクラウチング深いポジションよりも、
安全マージンを取れるアップライトが好ましい。
そんなアップライトを、スペーサを積む事無く叶え、
それでいて剛性も確保出来る長い
44ヘッドは、
是非欲しいフレーム構成要素であったりもします。
で、アップライトポジションが取り易く、
アドベンチャー的に何処でも走れるとなると、
「それってFargoと何が違うの?」
と思われる方も多いのではないでしょうか。
かく言う自分も嘗てはそうでした。(反省)
しかし興味を深め、試乗車に乗り、
ジオメトリノートを読み解いた結果感じたのは、
Vayaは700cツーリングバイクというよりも、
ツーリング出来る
ロードバイクである、という事。
探検系29erモンスタークロスである「Fargo」と違うのは、
Vayaは地形・天候など様々な環境変化がある状況であっても、
ペダリングの快楽の源泉である
「ロード的漕ぎ感」を最大限残したという点。
とにかく安定し淡々と走り続けられる事が正義であるツーリングバイクではなく、
ロングツーリングであっても漕ぐ楽しみは捨てたくない、という希望の結果がVaya。
なのでFargoの様な重武装バイクパッキングに対応した
3穴ダボは、
フレームにもフォークにも無く、あくまでロードスポーツの枠にある事を主張。
BBが低い?
このヘッドチューブ長でBB高普通なら、
乗車時の重心点が高くなり過ぎますもん。
STIがSORA?
ロー36tのスプロケットを使うべく、
MTB用リアメカを駆動させるとなると、
使えるSTIは9速用、つまりSORAとなる。
意味の無い事など何も無い、全てはあらゆる環境下で漕ぐ快感を得続ける為に。
ディスクブレーキである事は勿論、ワイヤは
フルアウターで過酷な環境でこそ気を吐く。
そう、Vayaを一言で言うと
「MTBの様に扱えるロードバイク」という事になるかと。
自転車を大事にする事は大切な事ですし、そう思わせる自転車は魅力的です。
しかし土砂降りの雨の中でも、塩カル塗れの冬の雪道でも、苔だらけの廃道でも、
どんな時でもどんな場所へも、気兼ね無く突撃出来るラフな一台ってのは・・・、
美人で無いからこそ輝く
「不美人力」とも言うべき魔力が備わっており、
見続けていると段々美しく見えて来る辺りが魔力と評する所以なのでありますよ。
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