フルオーダーフレームというのは、永く時間を待つモノです。
しかし、待つ時間の分だけ上がって来た時の嬉しさは格別で。
「こんなのが上って来て嬉しくない奴は世の中に居ないでしょう!」
ってな出来立てホヤホヤの
Sunrisecyclesが店頭に届きました。
「装飾バリバリのド派手!じゃない感じ」
というオーナーの要望があった為、
比較的シンプル&スマート。
ただそもそもの比較対象が、
グラムロック的装飾性が特徴とも言える、
「Sunrisecycles」の製品群でありますので、
口が裂けても「地味」とは言えない。
BBシェル上にも滲み出した主張がコンニチハ。
そんな小さな主張をリングの隙間に見付けずとも、
エンドを見ればサンライズ以外何者でも無い。
硬った~い焼入れ鋼(S45C)から削り出した、
サンライズオリジナルのエンド部材に、
ステンレスのフェイスプレートをボルトオン。
美しく、機能的で、独創的。
こういった所から魅力は滲み出る。
ダウンチューブについた受け台座も、
サンライズお手製のオリジナル物。
ステンプレートから削り出された、
この小物をマスキングして塗装する、
すると・・・ピカッと光っていやらしい。
ブレーキ台座も・・・以下同文。
ハンドメイドとかビルダー系とか、
そう言った呼称・認識がある訳ですが。
これ等の様な部材までも作ってしまう点、
正にハンドメイド!って話で。
そんなハンドメイド感溢れる本フレームの、
ハイライトは此方!
ISPマストトップ!
オーナーから提示されたイメージ&システム、
それをサンライズのフィルターを通して射出。
マストが被る部分はステンで出来ており、
錆の心配なく、塗装は不要なので、
サドル高の微調整の際に傷がつく事もなく、
ポリッシュの輝きが意匠性にも繋がる、と。
んで、そのマストを抜くと・・・。
隠れていたシートチューブ天面には、
ご丁寧にもロゴバッヂが貼られていました。
外からは絶対に見えない、
オーナーでさえ滅多に見る事は無い、
そんな所にこんな工作を入れる意味は?
「満足感へのスパイス」なのでしょう、きっと。
軽い事を求める人、丈夫さを求める人、踏み感を求める人、しなやかさを求める人、
求めるモノは人によりけりで、違ったり被ったりの欲望交差点な訳ですが。
「レースで1秒を争う」という事とは無縁のワタクシや、似た様な傾向の人にとっては、
軽く、丈夫で、踏み感良く、しなやか、それ等全ては蔑ろに出来ないと言う前提で、
何より
「乗りたくなる満足感」こそが求めて止まぬモノであると思います。
好き嫌いが大きく分かれるであろうSunrisecyclesのフレーム。
しかしオーダーしてまで作ろうってモノが八方美人なんて馬鹿な話は無い訳で、
既製品の世界よりも、もっと好きになりたい!潜り込みたい!一つになりたい!
そんな歪で変質的な想いを募らせる方はSunrisecycles、引き続き目を離す事なかれ。