山を覆った雪もスッカリ姿を消し、
北の山も無事開通。
木の切り出しも盛大に行われ、
ウム、春間近。

思い返せば数ヶ月前の雪降るあの日、
何故オマエの手を放してしまったのだろう?
水の中に流れ行くオマエを、
俺はただただ見送る事しか出来なかった・・・。
でもズッと後悔していたんだ。
そしてもう後悔するのはウンザリだから。
今、迎えに行くよ~!

と言う事で、冬の間に誤って水の中に落とした、
アイウェアの捜索に乗り出した今朝。
川のほとりでですね、ポロっと落としたのです。
しかし周りはまだまだ雪積もるシーズン、
とてもじゃないけど水に入る勇気は湧かなんだ。
まぁそんで、モノが高級品でも無く、
水に沈む位の重さはあったのでですね、
この淵に吸い込まれるのを見送ったから、
もしかして・・・まだ淵に沈んでるんでねか?と。
想いを断ち切れないワタクシは淵に挑むのです。
気温も一桁後半になって来たし、
感覚的にはもっと温くも感じれる。
よし!行くぞ!変身だ!
う~・・・・・・・・・・・
やーーーーっ!
そう、ワタクシは本気を出すと、
ハダカマンに変身出来るのです。
街中で変身すると捕まりますが、
人気の無い山中ですから然程問題も無い。

更に全てを脱ぎ去り、
スーパーハダカマンとなって、
水中の捜索に掛かります。
メガネメガネメガネメガネ・・・。
此処で2つの過ちに気付きます。
1つは
水中メガネを家に忘れて来た事、水泡溢れる水の中は全く視界が効きません。
そしてもう1つは
まだまだ水は冷たいという当たり前の事。
冷たいというより全身が痛みに包まれ、1分もせずに捜索は打ち切りです。
まぁしゃぁねぇか、と早くも諦めるハダカマンに、
予想もしなかったカウンターパンチが飛んで来ました。
「アレ?・・・今日かけてたメガネが無い・・・。」
なんとメガネを回収しに来たつもりが、
更に追加でメガネを失うという事態に。

ショックです、結構ショックです。
何故この様な事態に陥ったか?
それは気温の上昇に浮かれていたから。
まぁコレを機会に諦めつけると言う事で、
綺麗サッパリ水に流してしまいましょう。
メガネを失った代わりに、一つ知識を得ました。
水に強く破れ難く汚れ難いタイベックジャケットは、レジャーシート代わりになる。
終劇。