このサドルに跨る時、
まずは
張りの調整から始まります。
何故なら前回乗り終わった際、
テンションを緩めて休ませていたから。
何とも邪魔臭い儀式ですが、その邪魔臭さを補って余りある価値がある。
そんな唯一無二の安楽サドル
「セラアナトミカ・タイタニコ」。
「座った瞬間いきなり楽」とか、「距離が伸びれば伸びるほど楽」など、
数々の美辞麗句で彩られるこのサドルですが、
その裏には
「猛烈に伸び易い」というデメリットが潜んいたりもします。
テンションだらだらのままでは、
その乗り心地の素晴らしさは薄まる。
かと言ってテンション張り過ぎれば、
革はズイズイと伸びてしまい、
やがて調整限界を迎える。
調整幅が限界を迎えたならば、
買い換えれば良いだけだし、
そのコストを払うだけの価値はある。
なのに何故チョコチョコと乗る度に調整するなどと言う事をしているのか?
答は
「革サドルだから」。
いかにタイタニコが新品から楽さを提供してくれるとしても、
やはり使い馴染んだそれには遠く及ばない。
この安楽を一日でも永く感じていられるなら、たかが乗る度に調整如きってなモンで。
あとはタイタニコはここ数年供給不安定であった事もあり、
大事に使わねば次いつ手に入るや分からん、という危機感もありましたし。
そんな危機感を払拭するお知らせ。
この度、Simworksが取り扱いを開始、
と言う事は当分の間は、
いつでも手に入る状態になったという事。
オメデトー!アリガトー!
SelleAnatomica Titanico ¥19,800(税別)
ただ扱いを始めただけではありません。
Simworks別注の
メッキレールで登場。
黒レールのみだったタイタニコに、
メッキレールという選択肢が出て、
更にいつでも欲しければ手に入るなんて。
凄い事なんです、分かって頂けますか?
タイタニコ愛用家にとっては、
今回のニュースは大歓迎でありましょう。
しかしやや都市伝説化している、
「タイタニコ万能論」とでも言いましょうか、
誰もが絶対に楽な魔法のサドルという誤解、
それを信じて飛びついてしまう人が心配。
タイタニコは恐ろしく楽です。
しかしエッジ部分が内腿に擦れたり、
穴部分にキャン玉の皮が挟まれたりと、
形状から来る問題点もあります。
其れ等の問題は、レーパンを履く事でほぼ解消します。
超ロングライドイベントで使用率の高いタイタニコですが、
そんなイベントであれば誰もがレーパン履いていますからね。
ただ普段着的な格好で乗る場合、
タイタニコはいきなり好き嫌いが生まれます。
これはもう普通のサドルと同じで、
尻の形状と皮の厚み、上体の角度など、
色々な要素が絡み合い、
「良い!」という人も居れば、
「・・・あれ?」という人も居る事に。
だから誰にでもお勧め、とは言えぬのです。
タイタニコについては、まだまだ語るべき事はあるのですが、
書くのが疲れて来たので、気になる方は店頭でジュース片手に聞いて下さい。
取り合えずお伝えすべき事は、
「タイタニコありまっせ、黒レールもありまっせ」以上。