朝起きると空気がホワッと温く、
二度寝してる場合じゃねぇなと判断。
時間に余裕もあるので、
久し振りに京都の背骨
「花背」へGo。
・・・辛い、何度走っても辛い。
しかしサイクリングテリトリーを確保する為には、
避ける事が出来ない、言わば
「隣人」的峠。
そりが合わない、しかし付き合わざるを得ない。
そんな隣人に愛想を振りながら上る。
いやぁ今日も良いお天気ですねぇ、エヘヘヘ。
家出る時には肌寒いかな~と思って、
アームウォーマーして来たんですけどね、ヒィヒィ。
上ってりゃやっぱ汗かきますね、フゥフゥ。
そんな御愛想タイムを乗り切れば、
向こうに広がるは晴やかな秋の道。
焚き火の匂いとキンモクセイの香りの、
波状攻撃に酔いしれウットリしながらスパーーン。
嗚呼、ええ朝じゃ~・・・。
と、朝からヘラヘラしながら、
80km程を快適に走れるのは、
尻に合うサドルがあってくれるから。
尻痛い尻痛い言いながらでは、
楽しい道も楽しならず、
ただの苦行で終わってしまいまっせ。
幸いな事に自分はセライタの
SLRというペラペラの軽量サドルが妙に尻に合い、
己の脚で行ける範囲であれば尻に苦痛を覚える事などなく実に快適。
しかしそんなサドルに出会える事は幸せな事で、
出会うまでには、あのサドル試しこのサドル試しと、
邪魔臭~い時間、そして金銭的負担を越えねばならない・・・。
何処に居るの?
お尻合い!
と、流浪を続けるアナタの、
お尻合いとなるかどうか、そんな。
・Fizik Volta-R3 ¥20,340(税込)
発表から一年の時を越え、
やっとこさ弊店に入荷。
「最新のシェイプ!」とかが売りでは無い、
それがこのヴォルタの面白い所でして。
過去の名作と呼ばれ未だに愛される、
例えばコンコールとかターボなどの形状を、
「何で愛され続けるんだ~!」
と、研究して「愛され要素」を抽出、
そして出来た煮凝りがこのヴォルタ、と。
故にサドル形状としては良くも悪くも、
フィジークらしからぬ・・・いや、それは違うか。
そもそも個性を全面に打ち出す事が、
当然であったサドルの世界において、
ロジカルな効率主義的シェイプと、
ポップ且つ斬新なデザインで世を席巻した、
そんなのが個人的なフィジークのイメージ。
なので名作サドルに共通するシェイプを、
折り紙的フォルムに纏めたヴォルタは、
異形なれどフィジークらしい、と言えるはず。
アリオネが良い、SLRが良いと世間は言うけれど、
どうにも尻がコンコール的サドルを求める。
そんな人は気になっているであろうヴォルタ。
でも試してみて、もし気に入らなかったら・・・、
そう思うとカーボンレールのR1は手を出し辛い。
そんな人の下に届き始めたキウムレールのR3。
実測
約240gと超軽量とは言い難い事もあり、
より軽いサドルに魅了される人も居るでしょう。
しかしサドル選びの大前提とは、
「ペダリングの邪魔をせず尻を快適に支える」
その事であるのは当然過ぎる程当然。
その尻との相性をクリアした上で、
選べる範囲で軽量なサドルを選ぶべきであり、
最初から「200g以下で」という選び方は、
段取り上、陥りがちな間違いとしか言えません。
サドル如きに¥2万や3万などと言うのは、字で書くと馬鹿げた話で、
人様に意義を説明する事が難しいモノであるとは思いますが、
思いのままに何処までも走り行く為と思うと価値がある所では無い程に有意義。
ただ残念なのは
金を払えば手に入るというモノではなく、
自分で走り、感じ、試して行かねば辿り着けないのが
「お尻合い」。
皆様がお尻合いに出会い、心行くまでペダルを回されん事を祈る次第です、アーメン。