本日4月4日という事で、
暑くも寒くも無く快適極まりない気候な訳ですが。
丁度1ヶ月前の3月4日とかは、
まだこんな
雪景色であった事、
改めて確認するに信じれぬ思いですな。
まぁたった1ヶ月前とは言え、
こんな雪は山の中だから、というのもありますけど。
そんな4月、この気候を逃すまじと様々な催事が御座いまして、
先日言及した「ジェントルマンレース」は勿論の事、
その前に「
グランフォンド京都」が来週末の日曜14日に開催されます。
グランフォンドはロングサイクリングイベントでありまして、
レースで無いのでタイムも順位も関係無く、
丹後網野町を出発し京都までの
156kmを延々走るという平和なイベント。
そのグランフォンドに、弊店顧客さん達の自発的部活動、
「固定ロングライド部」が参加する事になっております。
固定ロングライド部は、その名の通り固定ギアの車両で長距離を走るという、
一見すると「どうかしてる」趣味を持つ人の集合体。
上りは変速機が無いので全身の力を使い悶絶しながら、
そして下りは足が回り続けるのでやはり全身でコントロールしながら、
幾つもの峠を越えて遠くへ遠くへと駆け抜ける。
・・・・しんどそうですよね。
しかし実際に走ってみると、
意外と遠くへ行けてしまう固定ギア車。
だって
変速機が誕生する前の時代は皆こんな自転車だった訳で、
まして今は道が綺麗に舗装されておりますので、当然と言えば当然。
そんな「漕ぐだけ」というシンプルな固定ギア。
シンプルゆえ、持てる力を効率よく推進に変える為、
構成部品をああでもないこうでもないと、
取捨選択して完成度を上げて行くのですが。
固定ロングライド部の某部員さんが、
このハンドルに行き着かれたのは、
何とも感慨深いと言うか何と言うか。
・Soma ラウッターワーサーバー
セミドロップと呼ばれるモノの一種で、
旧車の世界では比較的知られたシェイプ。
マスタッシュバーと比べると落ちが大きく、
より通常のドロップハンドルに近いですね。
またリーチ・・・というより突き出しと呼びたくなる、
そんな前方向への迫り出しもより大きく、
重ねてみると全く異なるハンドルでありますな。
そんな約一世紀前の名選手の名を冠したハンドル。
Soma以外からも同様製品は幾つか出ています。
しかし!
素材が
鉄であるという事は
「このハンドルがあってくれて良かった」と言わすに十分な要素。
と言うのも固定ギアで峠を上る際、ペダルを踏み込むのは体重だけでは足りず、
ハンドルをグイグイ引きながら無理矢理上る為、ハンドルには剛性が欲しくなります。
それだけならアルミのハンドルで十分満足できるでしょう。
しかし下りや平地で長時間・長距離を乗る際のよりよい快適性を求めると、
やはり鉄になってしまうという話なのですね。
この昔の少年車についていた様な、
変な形状のハンドル。
このストレート部分をガシッ!と握る、
そして背筋力測定の如く、
グイグイグイグイ引いて上る。
なるほど、と言ってしまいそうな程に理にかなっています。
自転車には変速機が付き、
それが電動になるまでに進化しました。
また空回りするフリー機構が無い時代から、
変速が生まれ、今や11段変速に。
ただ「漕いで動く」という根本は何も変っておらず、
歴史の中で経験してきた変化というのは、
一歩振り返ると実はエスカレーターの様なモノで、
上へ上へ上っていると感じた変化も、
実は大きな落差を産むには至っていなかったり。
いやそりゃレースをやれば話は別ですよ。
しかし一人で楽しく走るだけであれば、そないに大きな差も無いんじゃないか、と。
ビンテージ趣味など無いのに、結果的に昔の自転車に近い形になる。
その事は先人の試行錯誤を追体験する様で、何とも感慨深いモノではありませんか。