引越しと言うのは中々に長引くモノでありまして。
未だ旧宅に残る荷物をチョコチョコ運んでおり、
今朝は家内の自転車を搬送。
サイドカーの天板にフォークマウントを取り付け、
無事自転車を簡単に運べる仕様になった、
マイロングテールバイク。
サイドカーってのは見た目は面白いモノの、そんなに大きな荷物を運ぶ機会が、
実際どの程度あるかってーと、そんなに無かったりしますが。
引越しに際し活躍するサイドカーは、
まるで野山に放たれ駆けずり回る犬の様。
ああ、良かった良かった。
因みに横幅が気になるサイドカーですが、
握るハンドル幅に対しては驚く程広い訳でもなく、
広めの車止めなら意外と抜けれたりしたり。
まぁ運転に注意が必要なのは当然ですが。
で、このロングテール化された1x1、気付けば10年以上乗っており、
どんなタイヤを履かせたらどんな具合になるか?
またその際の
適正な空気圧はどの程度か?というのはある程度把握しています。
しかし先週から乗り始めたクランパスに関しては未だ空気圧模索中。
取り合えず、と
1.5気圧程度からスタートしてみると、
舗装路は良い感じなのですが、ダートに入るには気圧高過ぎな印象。
なのでと落として現在試している
1.1~1.2気圧辺りは、
トレールでは中々快調、舗装路でのネガも出ないので良い感じ。
もう少し落としても良いかな?と思わんでも無いですが、
1.0以下となると、気を抜くとリム打ちしそうな感触もあるので、
1.1前後で決まりそうかな、と観じておりますです。
そんな中。
適正気圧の読めないモンスターがやって来てしまいました。
ファットバイク界の巨人
「ムーンランダー」です。
店頭に置いておくと、大人も子供も外人も、
誰もがつい半笑いになってしまう、
そんなモンスターマシーン。
「4.7インチのタイヤ幅が」とか、
そんな数字で認識するより、
このアホみたいなリムを見る方が、
異常な存在感を感じれるのでは?
「入荷しました!」と吼えたい所ですが、これは
メーカー試乗車。
ファット熱に冒され、新潟の雪上ファットミーティングにも突撃し、
「究極の」という言葉が頭から離れなくなった、そんな方から、
「自分の住む街でも乗ってみたい」というオーダーを請け用意した今回。
昨年のサイクルモードや、
雪上ミーティングなどで酷使され、
パッと見普通でも、其処此処がガタガタ。
試乗車に愛は注がれんからね~、
と哀れみながら愛を注入。
そんなこんなで各部確認をしていると、
フロントディレーラ台座に見付けた、
「No step=乗るでない」の文字。
誰が乗んねん、こんな所・・・。
よしよし、準備完了。
レッツ・ロ~リ~ングッ!
そしてそのフィーリングは・・・。
ウム!見た目のままだ!
けっして「よく走る」という訳ではなく、
あくまで普通に、極普通に走る。
しかし足元で転がるその異様なタイヤを見た時、
その普通という評価は褒め言葉に転ずる訳です。
タイヤのエアは、試しに
0.5気圧にしてみると、
フンワフワの觔斗雲状態で、
コンクリブロックも花壇もボヨヨンと乗り越える。
しかし流石にタイヤがヨレるので、
舗装路ではハンドリングが異様極まりない。
ならばと一気に1.0気圧入れてみると、
ハンドリングの異様さは鳴りを潜めるも、
4.7インチ幅タイヤの生む、
圧倒的なボヨヨン感が薄らいでしまい、
「これで良いのか?ん~・・・」と少々悩む。
チョロっと乗っただけでは何も分からないのですが、
「究極」であるムーンランダーは、
「街中から雪上・ダートまでを自由自在に移動できる」という様な、
甘い乗り物では無いっぽいなぁ、と思ったりします。
状況に応じて適切な気圧管理をする事で、究極の極太タイヤの恩恵を享受出来る、
言い換えると、それが出来ねば活かし切れない、という事ですね。
しかしまぁマルチパーパスなモノを求める人は、究極までは来ないでしょうから、
やはりコイツは選ばれし者、そして選びし者が地獄の底まで連れ添う一台なのでしょう。
「連れ添うに値するか、1~2週間ガップリ四つで対峙してみるべし!」
という自転車屋サイドの願いを受け、本日勇者の方が乗って帰られました。
しかし、その方の試乗終了後も暫くは店頭にあると思いますので、
勇者希望の方は、是非雪で冬季通行止めになっている、
佐々里峠とかにチャレンジして究極の世界へ飛び込んでみて下さい。