本日、また一台のロングテールが野に放たれた。
ベースとなったマディーフォックスは、
お客さんの実家の納屋で眠っていたそうな。
そのホコリだらけの錆まみれな一台を、
ユーザーさん本人が塗り直し、
時間を見つけてパーツを磨き磨き磨き、
晴れて形になった今回。
嬉しい。
より安くオモロいモンが出来て、代わりに粗大ゴミになっていた邪魔物が消えた。
とても気分が良い仕事をさせて貰い、非常にアリガタイ。
シートステーに沿って伸びる、
カンチのワイヤーが泣かせるぜ、ベイベ。
メーカー推奨の完成車を買うより、安く上がった事は事実だけれど、
塗りは塗装屋さんに出して、磨きも自分の様な自転車屋に任せ、
自分は仕事して稼いで、支払った方が完成度や効率は良かったのかもしれない。
しかし、そんな効率を越えた満足感が、きっとコイツにはある。(っぽくない?)
手を汚すって事は何なんじゃろホイ?
わざと辛い思いをするなんて事は、馬鹿げている様にしか思えない。
けど、自転車の存在自体が、わざとしんどい思いをしている訳で、
その先に何も無いのなら、誰もこんな単純な移動機械如きに魅了されるはずは無いってな話で。
昔の自転車屋さんは、お客さんに自転車を組む事を強要した、なんて話を耳にするけど、
それはやっぱ、自転車というモノの根源にある魅力を伝える為の、
非常に単純で、最短距離の方法だったのかもしれないなぁ、なんて。
自転車乗り慣れて、ちょっと余裕の出てきた人は、バラして潰して学んで直して、
なんてのも楽しいモンですよ、うん。