ある日持ち込まれた一台のフレーム。
オーナーさん曰く「組み上げてたむれ」。
弊店でお買い上げ頂いた分であれば、
弊店が組むのは自然な流れですが、
此方は他店さんで購入されたモノ。
購入店ではなく、弊店に組み上げ御指示を頂くとは・・・プレッシャー。
要は普通~に組み上げるだけではイカン、良い感じにせよとお題を頂戴したも同然。
カラオケでマイクを渡され「何か歌って!」とギャルに言われた様な心境です。
オーダー内容としては下記の通り。
「内装変速」「ドロップハンドル」「ハブダイナモ」「シルバーパーツ」「良い感じ」
其々単品で見ると難しくないけど、組み合わせると難問になる系のアレですね。
などと泣き言を言うとる場合ではない!仕事だ仕事だセイッ!セイッ!
と言う訳でこんな感じに。
コスト上がらざるを得ない箇所の反面、
コストを落とせる箇所はギュッと圧縮。
怪態な部品と定番の部品、
其々適材適所でバランスを取る。
そして何より
「どう仕上げるか?」。
使って行く中でトラブルが出難いのは勿論、
美しく仕上げてこそ「仕事」と申せましょう。
こういった希望・要望がハッキリした車両を、
一つの形に纏め上げるというのは、
実に面白いというか何と言うか。
答の無いパズルみたいなモンでしょうかねぇ?
コレが答だ!と言い張ればその通りだし、
そうじゃない、と指摘されれば悩むだろうし。
でも納得行く形になった時の気分は中々です。
乗って面白く触っても面白い、ローテクノロジーの集大成たる自転車。
もっぱら乗るばかりという人も、一度チョッと触ってみては如何でしょう?
作業を終えて改めてみるマイマシーンは、いつもより少し魅力的かもしれませんよ。
誤って調子崩したり壊してしまったりしたら?
親指と人差し指で輪っかを作ってピーッ!と吹いて自転車屋を呼べば良いだけの事です。