キャブのセッティング出し作業は好きですか?
って誰に語りかけてんねん、という話ですが今日はチョッとバイクの話から。
邪魔臭い&掴み所が無いとして敬遠される事も多いこの作業、
邪魔臭い事は完全に同意致しますが、それでもワタクシは結構好きです。
少しずつ手探りでセットを変えて、より良い状態へと持って行く、
そしてバンッ!と気持ち良く走るようになると・・・邪魔臭さかった事など雲散霧消です。
で、吸排気を整えて出力増すと、
今度はクラッチがついて行けなくなり、
気色の悪~い感じになりますので、
今度はクラッチ周りを強化強化・・・。
そんな風に全体のバランスをとって行くと、
機械は必ず応えてくれるんですよ!
機械って可愛いですね~♪
部品を闇雲に「良い物」に変えても、
良い結果が約束されているとは限りません。
その部品が「何故&何処が良いのか?」という、
特性を知らねば活かし様がありませんから。
例えば此方、先日知人が持ち込んだモノで、
最強との呼び名も高い
フィルウッドのハブ。
トラックハブの中でも抜群に丈夫な事は確かで、
その点について異論は全くありません。
ただ
「何故丈夫なのか?」という事については、世間ではあまり話題に上らないというか、
興味無いのかな~という印象があったりするんですが如何でしょう?
King of trackhubと言わしめる丈夫さの秘密は、
多分この
馬鹿ほど長いアクスルボルトにあります。
装着時にはハブ軸内部をボルトが埋める形になり、
極太の無垢軸に近い剛性感を生むのでしょう。
で、同じく馬鹿ほどガッチリ作られたハブ胴とで、
シールカートリッジベアリングを挟む事により、
ベアリングに対する捻り的な負荷が抑えられるので、
結果としてベアリングが非常に長持ちする。
と、偉そうに知ったかぶりで書いてますが、
本当の所がどうなのかは知りません。
ただ使われているベアリングは、
魔法のベアリングでも何でもなく、
普通のNSK、なんならインドネシアNSKなのに、
他と比べると馬鹿ほど丈夫である事は確か。
「じゃぁ何でこんなに違うんだろう?」
そんな疑問から空想・妄想を広げた結果、
その秘密は此処なんだろうな、と考える訳です。
丈夫な反面、フィルのハブはかなり重いですし、
各ネジの勘合が深いので永く放置すると、
固着して外れなくなるというネガもあります。
部品が集まれば機械として機能する訳ですが、其々の部品には特性や意味が必ずあり、
部品の得手・不得手をキチンと整理してこそ、機械は美しく機能するのです。
取り付けただけで速度が倍になる、なんてのはアシストモーター位じゃないですかね?
機械は嘘をつきません。時に人を惑わす事はあったとしても嘘はつかんのです。
ただ機械はとても小声ですので、此方がお話を聞いてあげないといけません。
同じクリスキングというブランドでも、ヘッドの美点とハブの美点は全く違いますし、
同じ高級ハブでもキングのハブとホワイトのハブでは目指す方向が違います。
部品を選んで導入する際、是非酒でも呑みながら部品を掌で転がして、
「キミは何が得意なんだい?」と聞いてあげてみて下さい。
酒が進んで泥酔し始めた頃、黙っていた部品がボソボソと話しはじめる事でしょう。