ズッと前走ってる積車、何かに似てるなぁ。
見た事ある気がするけど何やったっけ?
あ。
キカイダーの配色やないか、アレは。
と、至極どうでも良い事を考えながら、
交通の流れに従い行く先は2017年展示会。
さぁまずは何から見ようかな・・・っと。
オマエはーっ!やっと来たのかー!
というのはベースのTrollでは無く、その後についているロングテールKIT
「Leap」。
丁度一年前の展示会で「サンプルが間に合わなんだ」と説明されたリープ。
その後も生産予定がズルズル遅れて、今年中は無理なのか?と思われたリープ。
しかし遂に目の前に現物が・・・感無量です。
現物はさすがのゴツさ加減で、なるほどコレなら相当な剛性向上が期待出来ます。
で、気になる納期は・・・え?
年明け2~3月予定ですと?
もうね、此処まで来たらその納期を信じる人間など居りません。
来年春でも良い、いっそ来年夏でも怒りはしない、だから頼むから・・・来て。
はい、次は個人的に「激震」と言うべきレベルの変化がおきた
「Surly」の2017モデル。
特に此処を御覧下さい!
このTrollの色!って違いますね、
色の事などどうでもよろしくて、
下パイプとタイヤの間隔にご注目。
2016までのモノよりも狭くなっており、
それ即ち
フォークが短くなったという事。
トロル2017モデルは大幅なジオメトリ変更を受ける事により、
過去のモデルよりもフルリジッド前提としての色が強まった、そう言えようかと。
「何でも出来る」が初期のキャラ設定だったトロルですが、
サスペンションフォークを入れて使うユーザーが案外少なく、
ツーリングで使うユーザーが多いという結果を元に、
「出来ない事があっても良い」と、最適化を図ったのでしょうね。
反面、「今後は出来なければならない」と判断したと思しき
最重要変更点が此方。
表から見ても分らないけど、裏から見ると何か溝が刻んである。
そう、これがSurlyの打ち出した新型エンド
「Gnot-Boost」で御座います。
嘗ては135mm一択で平和だったMTBのリアエンドスペーシング界も、
スルーアクスル化の波と共にやって来た新定番規格142mmと、
そして米国からの突風148mmのブースト規格と、戦乱の様相を呈しています。
そんな戦乱の中でも民衆が困惑せぬ様にと、Surlyが打った手は・・・なんと!
142mmと148mmの中間である
「145mmでどうだろう?」という折衷案。
シクロクロスの、130mmと135mm両方使える「132.5mm」と同じ考え方ですね。
ん~まさかその様な手を打って来ようとは・・・実にSurlyらしいと言うか何と言うか。
で、このノットブーストエンドは142&148mmのスルーアクスルだけでなく、
今まで通りの135mmQRにも対応させよう!という事で、
御覧の様な
間座を使う事で135mmQRハブの使用を可能としております。
「何でも出来る」という事に対する希望を全て受け入れる姿勢はSurlyらしく、
実に素晴らしいと思いはするのですが、ん~、なんつ~か、その~・・・、
「135QRでも使える」事は確かですが、あんま使いたく無いという印象は否めず、
汎用性の限界みたいなモノが透けて見える様な気がせんでも無い。
ま、使ってみれば案外キチンと使えたりするんでしょうけどね。
その他、チェーンステーBB付近の、
ドライブサイド側がプレート材化されて、
タイヤクリアランスの拡大、というか、
セミファット化への流れに備えている模様。
この新トロルには重大な、
実に使命がありますからね・・・。
そんなトロルの使命は後に回すとして、
カラテモンキーも同じく全面一新となり、
やはりドライブサイドはプレート化され、エンドもノットブーストに。
トロルが「今在るべき己の像」に従い変化したのと同じく、
カラテモンキーもまた今在るべき己の像に従った訳ですが、
その在るべき像は当然全く違うモノでありまして、
カラテモンキーはより
トレイルバイク方向へと舵を切りました。
フォークは旧468mm→新483mmへと、
僅かながらも長くなり、クランパスと同寸に。
また71~72°だったヘッド角が69°と寝た事は、
新キャラの方向性を端的に表しているかと。
よく見ればシートポストに穴が。
やはりドロッパーへの対応は必須なのでしょうな、
シートポスト径もφ30.9mmへと拡大されました。
こうしたカラテモンキーのトレイルバイク化というのは、
本来のホイル径である29erのみを前提としているのではなく、
29erフレームにそのまま入るセミファット規格
「27.5+」も視野に入れての事ですから、
最早「カラテモンキー=29er」と括るべきではないのかもしれません。
そう、「29+」はクランパスとECRがあるのだから、
「27.5+」はカラテモンキーとオーガに担って頂き、
「26+」はインスティゲーター2.0、これがSurlyのセミファットラインナップ・・・、
かと思いきやどんでん返し。
ままままさかの!インスチ2.0!廃盤決定!
初代インスチに続き二代目も短命に終わりました・・・。
じゃぁ26+も滅亡決定か?というとそうでもなく、
2017年にはJamisやRockyから26+規格のニューモデルが登場しますし、
WTBからもリム&タイヤがもうじき届く予定ですから、
寧ろ26+は少し盛り上がりを見せ始めたと言える状況ですし、
Surlyとしても26+のタイヤ2種は引き続き生産していくとの事。
では何故インスティゲーター2.0が廃盤になったのかと言うと、
恐らくインスチ2.0自体が
「そもそもSurlyがやるべきキャラではなかった」から。
そのインスチ2.0の代わりに26+を受け止めるフレームとして、
26x3.0が履ける様にタイヤクリアランスを拡大したのが前出の
新トロルと言う事で、
確かにその方がよりSurlyっぽいと言わざるを得んです。
変化が無い恒久性こそがSurlyの魅力の根っこである様に思いますが、
世の中の変化を一切無視していては、古く維持し難い存在になるでしょう。
今現在、ホッと息つくベーシックと捉えている車両達も、
100年前からベーシックな訳では無く、時間と共にベーシックになっただけ。
さぁ自分がジジイになる頃のベーシックはどんなモノになっているのでしょう?
その萌芽はきっと今現在、出ては消えてするモノの中にあるのでしょうね。