年の瀬も徐々に徐々に迫って参りまして、年内残り2週間となった本日16日。
しかし「残り2週間」と言ってもですね、
我が業界の問屋さんの殆どが、
26日(金)が最終営業日になりましょうし、
そういう観点で言えば「残り10日」。
もっと言えば必要な部品などは、
それまでに手配しておく必要があるので、
実質あと1週間で今年の活動は停止に入る、と。
まぁそんな訳で
「段取り」という言葉が、
頭の中を駆け巡る昨今。
目の前には禍々しいオーラを放つ、
折り畳み自転車一台。
大ヒット作「BD-1」の兄弟車「BD-2」です。
要するにBD-1のベルトドライブバージョンですが、
「クリーン&メンテフリー」なイメージとは裏腹に、
オモシロメカニズムが災いし、とんでもなく扱い辛い。
んで、知り合いからこのBD-2を
「チェーンドライブ&外装化せよ!」と指令をうけまして、
大して考えもせず「ハイハイ~」と軽く返事をしてみたモノの、
段取りをたて始めた所で、過去BD-1をさわった際の黒い記憶がモクモクモクモク・・・。
クランクはドライブギアと一体式の為、
クランクを交換する必要があります。
持ち込まれたリングは130pcdなので、
130のクランクを用意せねばなりません。
はいはい130ね、んで安い奴ね・・・
あ!
BD-1はその独特の構造から、求められる
チェーンラインが50mmなのですが、
この数字は一般的な多段変速車両と比べるとかなり広いのです。
特に130pcdを使うロードクランクでは、43.5mmとか45mmとかなので、
そのまま何も考えずにポンと着けるとエライめに遭います。
なので、軸長の長いBBを使う事でチェーンラインを外に出し、
辻褄を合わせる事になるのですが、此処で
時代の壁が立ちはだかる。
一昔前であれば、シマノの四角軸クランクの補修部品で、
アームのみってのがポンポンと手に入ったのですが、
調べてみると・・・無い無い無い無い何も無い。
で、諦めて新品を買おうにも現在主流のアウトボードBBは、
チェーンラインを変更するなどと言う事は構造的に難しい。
しかも廉価グレードのクランクは110pcdのコンパクトばかりで、
130pcdのクランクとなると不必要に上位グレードになっちまう。
スギノの四角軸使えば、
一発解決なんだけれども、
予算的に許されんしなぁ~・・・。
と悩んだ結果見つけた光明、
その名は
「クラリス・トリプル」。
クラリスもW用は110pcdですが、
トリプル用は他同様130pcd。
更にチェーンラインも広がるし、
クランクとBB軸が別体のオクタリンクだし、
価格も¥7,000程度とリーズナブルだしで、
「これっきゃNight!」と決定。
ただ計算上は行けると踏んでみても、
実際に着けてみるまではとても不安。
してその結果は!見事、ええ感じのクリアランスに収まった~パチパチ~!
用意したけどアカンかった、とかなると目も当てられんですよ、
着かんクランクの代金なんぞ誰も払うてはくれんですからね。
よし!山場は越えた!
あとは持ち込みの外装ホイルに・・・、
履き替えて・・・外装・・・に・・・って、
フリーが回らんではないか。
バラしてみると中のグリスは劣化してガム化。
どうやらフリーボディ内部のグリスもガム化し、
ラチェットの歯が固着している模様。
油に漬け込み回る様にはなったけど、
一向にラチェットが起きる気配は無し。
こう言う時、シマノのハブなら、
部品取り用のハブからフリー抜いて、
チャチャっと入れ替えハイ終了なのに、
生憎、頂き物だというこのホイルは、
無料というだけありJoytech製品。
何やねんこのフリーの固定方法は・・・シマノの方式コピーしといてくれや・・・。
という訳で、本来頂き物のリアホイールありきで始まったBD-2のBD-1化計画は頓挫。
しかしオーナーが抱いていたBD-2への不満は、ベルトドライブそのものにあるのではなく、
独特のベルトテンション調整機構から来る折り畳みのし難さであったはず。
一休さんの如きポクポクタイムを経て、
店頭の棚を漁った結果。
元々の内装ハブを使って、
テンショナー追加でチェーンドライブ化。
これで取り合えず折り畳みはスムースに。
まぁこの様にですね、段取りしているつもりであっても上手く行かん事屡。
それが部品供給の止まる年末年始ともなると・・・更なる
段取り力が問われるのです。
嗚呼、おそろしや年末年始。