え~、現在夏休みの最中、という事で、京都市内でも様々な催し事が行われております。
しかし、何から行って良いかわからない、そんな方も居られるでしょう、ええ、ええ。
そんな方にお知らせしたい催事が此方。
下鴨神社の
「納涼古本まつり」。
下鴨神社の広~い境内の、
高く聳える木々の木漏れ日の下、
一堂に会した古書店の出店がズラリと並び、
古書を手に取り検討するも良し、
みたらし川に沿って散策するも良し。
暑い夏を凌ぐ為の涼しげなイベントでございますぞ。
まぁ人様に勧めておきながら何ですが。
私、アンチ古本主義でありまして、
本は文庫本の新品のみ、という偏向性を持つ為、
開催中の古本まつりを覘く事はありません。
しかし、祭りを仕舞った後の夜に通り掛ると、
真っ暗な境内の中、防犯の為か点灯したままの、
出店のテントが並ぶ風景を、つい眺めてしまいます。
誰も居ないのに人の賑わいの残滓は在る、
それだけでも中々面白いモンですので、暇な人は是非。
え~、そんなこんなで
「涼しい場所で本を読んで脳内旅行を楽しむ」、
というのは、自分の中での最良の避暑の方法と考えておりましてですね。
我等が
補陀落山荘にも
「俺文庫」という、空井戸選書を並べております。
涼しい場所でボケっとするのも良いけど、呆け飽きたならこんな本でもどうよ?とそんな。
その俺文庫から、夏の一冊にお勧めしたいブツを、幾つかご案内。
まずは、
・日本の島々、昔と今 有吉佐和子著
今話題の竹島、尖閣をはじめ、父島、波照間島、
そして焼尻島なんていう聞いた事も無い離島を、
歩いた紀行文・・・と言うと少し違うけど。
それら島々の過去と現在を比較し、
島国日本はどこへ行く?と問いかける一冊。
書かれたのが1980年前後なので、
タイムスリップ感も味わえ二度お得。
お次は、
・珍日本超老伝 都築響一著
昭和という時代が生んだ、変過ぎる老人ってのが、
自分が子供の頃にはチョロチョロ居た訳ですが、
そんなクレイジーな老人のカタログが此方。
「個性の時代」なんて言葉を恥ずかしく感じさせる、
老人達のアクセル全開な生き様ったら、もう。
「オレサマじいさんに、ガツンとやられる快感」
というコピーを信じ、読んで笑って悩むべし!
もう少し普通のん。
・ラストドリーム 志水辰夫著
何でも書けるアルティメイト作家シミタツ先生の
お得意である「人生の夕暮れ」がテーマですが、
そこにファンタジーの匂いを加味した異色の一冊。
あらすじとかは、敢えてパス。
ただ・・・面白い!ドップリ嵌れる!
エンターテイメントなのに重厚なシミタツワールド、
読み耽り過ぎて、泣いても知らんぞ!
そう、本ってのは何が良いって、読んでいる間はその世界にドップリ嵌れる事。
その点を重んずるなら「最低500頁」ってキーワードが欲しい所。
でも、水増しした様な無駄なページは要らねぇ!
書いても書いても収め切れなくてついページが伸びちまう、欲しいのはそんなんだ!
という暇人に。
・湿原 加賀乙彦著
学生運動が激しさを増す60年代、
新幹線爆破テロの容疑者として、
冤罪に巻き込まれる主人公。
大きな流れの中で、木の葉の様に舞う、
人の人生の先に見えるモノとは一体?
冤罪・死刑という乙彦先生お得意の重~いテーマながら、
人生や愛の賛歌を散りばめた、性善説ベースの爽やかな読後感や良し。
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家族や仕事に邪魔されず、
どっぷりと本の世界に嵌りたいなら、
補陀落山荘来いよ!涼しいぜ!
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と、猫も申しておる事ですしね。
暇なら脳内旅行、って事ですよ。