秋の夜長、如何お過ごしですか?
「そんなモン、寝て過すのが一番に決まってんだろ。」
そうとも思いますが、意識の有る時には有る時なりの楽しみも有ります。
この連休に東京で開催されたBFFを見る事が出来ず、悔し涙を呑んだ自分は、
昨晩早々に眠る事無く、奥さんの借りて来たDVDを見て過ごしました。
タイトルは
「青髭」
城に住む醜い金持ちの男「青髭」と結婚した女の子は、城の全ての部屋の鍵を託され、
ある秘密の部屋だけは開けてはいけない、という約束の下、全て好きに使って良い事を許される。
しかし、青髭が留守のある日、女の子は好奇心に負け、秘密の部屋の扉を開けてしまう。
そこには、昔行方不明になった、青髭の前妻の死体が・・・。
で、チャンチャンバラバラの後ハッピーエンドと相成る、そんな童話ですね。
原作の童話で受けるイメージは「青髭、悪い鬼だね」「女の子、愚かだね」と、
凡そ単純なモノとなると思うのですが、
この映画では、ジトーっとしたスローペースの中、
イヤラシイまでの奥行きをもって、耽美な独自解釈をみせます。
青髭は決して極悪な鬼などでは無く、ただ嘘に絶望している孤独な人間であり、
女の子もやはり、決して愚かでは無く、
子供故の純真さと鋭さを持つけれど、秘密の扉を開ける事で、子供から女性へと変化し、
その変化の付随物としての好まざる嘘をついてしまっただけ。
何処にも悪い人など居ない。
居るとすれば、自己都合を軸に動く、全ての人が悪である。
そんな感じなのでしょうかね?
次から次へとワクワクドキドキ!という感じでは全く無く、
かなりノンビリした展開を、じーっと見入って浸るタイプなので、
眠れぬ静かな秋の夜、暇が出来てしまった人間には良い映画でした。
興味を持って「見たろう!」と思われた方、
ダラダラした展開に飽きる事無く(覇王別姫が我慢出来るなら大丈夫!)ご覧頂ければ、
最後には必ず、コッテリした演技に釘付けになる事請け合いです。
己の趣味を他人様へ押し付けるってのは、ナンセンス極まりないですが、
暇で暇で仕方ない夜の参考までに、ね。
そう、秋にはコッテリしたモノが似合います。
こんなのも、とてもコッテリ。
内容は到ってシンプル。
ある国の手違いで、
核ミサイルが東京へ向けて発射された。
それを知った人達は、最後に残された時間を、
どう受け入れるのか?
読み始めから重厚、最後は昭和的重厚。
おっもしろいぞ~。